2011年読切

世話の焼ける二人

 操様のご様子がおかしい――般若が気付いたのは夕餉が終わってしばらくした時間である。明らかに元気がない。操が落ち込む理由などいかほどもない。蒼紫が忙しくなると寂しさからこのようになることが度々あった。それ故に今回も同じだろうと考える。御庭番にとって任務は絶対。仕方ないことである。ただ、そろそろ蒼紫の任務は完了する。明日、遅くとも明後日になれば屋敷に戻りしばしの休息が訪れる。さすれば操も元気を取り戻す。またあの朗らかな声が聞こえてくるはずだ。般若はそう思っていた。
 
 そして翌日の昼下がり。

 待ちに待っているはずの人物が屋敷に戻って来た。
 操は般若に連れられて玄関先で出迎える。しかし蒼紫の姿を見ても小さく「おかえりなさい」と言っただけである。
――照れていらっしゃるのだろうか。
 久々に顔を合わせて照れる。しおらしい態度に般若は面の下で微笑み「操様」と柔らかな声で名を呼び蒼紫の元へと促した。それでも操は蒼紫の傍に近寄ろうとはせずそれどころか般若の後ろに隠れてしまう。
「操様?」
 流石に不審に思いながら今度は問いかけるように名を呼ぶ。自分の右足に纏わりつくようにして身を隠す操が見上げてくる。表情は優れない。いつもであれば誰を差し置いても真っ先に蒼紫に抱きつくはずが。
「操。」
 黙っていた蒼紫が口を開く。「今、帰った」と続ければ「おかえりなさい」とまた返すがやはり一向に近づこうとはしない。照れているのではなく拗ねているのだろうか。蒼紫の顔を見ただけでは機嫌が直らないほど寂しかったのだろうか。般若は操の態度をそう解釈した。
 般若は操の傍に膝を折る。それから、
「操様。蒼紫様とご一緒に眠られてはいかがですか」
 それは操のためであり蒼紫のための提案でもある。
 任務についている間、神経を研ぎ澄ましている。五感が開いた状態を緩める必要がある。風呂に入ったり眠ったりと人に寄って様々な方法があるが、蒼紫には操がまさに緩和剤である。直接に蒼紫自身が言葉にしたわけではないが見ていればわかる。いかほどピリピリしていようと、操を前にすれば途端に緊張した空気が穏やかになる。また眠りの浅い蒼紫であるが操を抱いて寝るときだけは例外である。自分を信頼しきって安心して身を委ね寝入る様子に蒼紫もまた安堵を吐く。よく眠れた。主の僅かな心許せる時間を知る般若はそれ故に操に告げたわけであるが。
「みさおは、もうあおしさまといっしょにねないの」
 泣きそうな顔で言うと逃げるように廊下を去って行く。
 まさかそのような返事がくるとは思わず驚きのあまりに、そしてすぐに治まったとはいえ操の言葉を聞いた瞬間に苛立ちを増した主の空気に凍りついて、般若は瞬時に動くことが出来なかった。

 蒼紫が屋敷に戻って丸一日が経過したが。
――困ったことになっている。
 般若の率直な感想だ。それを象徴するかのように天気は崩れ朝から雨が降っている。憂鬱さは極まるというもの。
 この世には相性が存在する。現実主義が徹底されている御庭番衆であるが、人と人を繋ぐ縁には理屈ではどうにもならない側面があると認めざるを得ない。そして、相性が良ければいい具合に、悪ければ悪い具合に、物事を展開させることも。
 その相性であるが――蒼紫と操を繋ぐ糸は確かに通じ合っていた。
 たとえば、操は構ってもらえないと拗ねたり怒ったりするが、蒼紫がいよいよ極限まで疲れている時は不思議とならないのである。有能な蒼紫がそれほどまでに疲弊する。言いかえれば多忙を極めている。当然、操の相手をする余裕はなく離れている時間も長いはず。通常で考えれば操の機嫌が悪くなりやすい。しかし、操はふてくされて気を引くような真似はしない。任務を終えて戻った蒼紫にひたすら素直に甘える。傍に寄って行き寂しかったと。好き、好きと。ひっついてくる姿に、いつのまにやらピリピリしていた蒼紫の様子も落ち着きを取り戻す。反対に操が天邪鬼な態度をとり我儘を言って困らせる時は蒼紫の方にいかほどか余裕があり、操のよくない振る舞いも寛容に受けとめ、寂しい思いをさせて悪かったと折れる。操が或いは蒼紫が均衡するように調節しているわけではなく、互いに思うままに行動すれば自然と調和してしまうといった感じであった。しかし。
 今回は、合わなかった。
 操は蒼紫を拒み。蒼紫も操の拒絶を優しく受け入れる状態になかった。それどころか、可愛さ余って憎さ百倍という感情を産んだ。隠密としては天才と謳われてもまだまだ年若な男子である。憎からず思う相手にそげなくされとどめをさされたように感情は粗ぶった。人並み以上の矜持を持つ蒼紫であるから、よもや幼子に冷たくされて怒り心頭など考えたくはない。当然に押さえこむ。しかし過敏状態の精神ではいかに蒼紫といえど難しい。裏を返せばそれだけ操の拒絶が堪えているということで可愛げがあるとも言えるが。ただ、周囲の者は微笑ましく悠長に構えてはられない。堪えても堪えても溢れ出る苛立ちを持てあまし、無愛想に拍車のかかった蒼紫をどう扱えばいいか困り果てる。それは蒼紫の傍に控える般若が最も痛感している。
 これをどうにか出来るのは唯一人である。
 だが、頼みの綱の操も操で様子がおかしい。
 どうやら操の態度は寂しさの裏返しではない。ようやく般若は思い至った。
――調べてみる必要がある。
 そして、何が起きていたの調査をはじめたのだが。密偵方が般若の本業。さほどの時間を要すことなく状況は明らかになった。

 事の始まりは今から一月前に遡る。

 これまで雇っていた女衆が臨月に入るいうので暇を取らせた。その間、代わりにと紹介された娘がいる。御庭番衆の屋敷は表向きには武家屋敷ということになっている。武家屋敷で花嫁修業をしたというのは名誉なことで箔がつく。そのような狙いからの申し出を通常であれば断るところ。だが生憎と女手が不足していた。女衆が復帰するまでのわずかな間のこと、また役に立たぬならやめさせればいいと雇い入れた。
 運がいいのか悪いのか、その頃、任務で外出が多い蒼紫が珍しく屋敷にいた。あれだけの美丈夫である。娘は一目見て惚れてしまった。年頃の娘に意識するなというのもむごい話で仕方ないところではあった。ただそれだけで済めばよかったのだが。
 今より二十日前。毎日顔を合わせるうちに、募る気持ちを持てあました末だろう。娘は蒼紫に想いを告げたのである。なんとまぁ大胆なことをと驚く。しかし相手が悪い。元より愛想のない男だが、あっさりと袖にし、それからほどなく任務を言い渡されて赴いたのである。
 残された娘は――当然に傷つく。もう会わす顔がないと屋敷を去るかに思えたが。だがこの娘、根性の据わったところがあり屋敷に留まり働き続けた。本人がそれでいいと言うのならば、周囲も何も言うべきことはない。みな素知らぬ顔をして何事もなかったように振る舞い続けた。
 それはそれでよかったのだが。
 一昨日の夕餉。いつもならば操は誰がしかと一緒に食事をするのだが、とにかくその日はみな忙しく、一人で食べることになった。その配膳を引き受けたのが何の巡り合わせか彼の娘である。娘と蒼紫の間にあったことなど何も知らぬ操は、いつもの調子で「あおしさま、あしたにはもどる?」と口にした。誰彼構わず聞かねば寂しくてどうしようもないのだろう。だが娘の方はカっとなった。娘も操に何ら悪意がないことぐらいはわかっていただろうが、それでも乙女心というのは理屈ではない。そうでなくとも自分を袖にした男が可愛がる幼子である。憎々しさは言わずもがな。あることないことを吹きこんで「蒼紫さんは本当はあんたのことなんて大嫌いなの。仕方なく面倒を見ている。迷惑がっていることをわかりなさい」と告げた。雇い主の家の者にそのような暴言を吐くなど許されるものではない。娘はその事実がバレる前にとっとと屋敷を去ったのである。
 そして残された操は――操はお嬢様である。蝶よ花よと周囲から大事にされ、誰かに悪意を向けられたことなどなかった。それが。当然強い衝撃を受け怯えた。また非道な言葉は強く残るもの。娘の言うことが真実であるようにも思えた。
――あおしさまは、みさおがきらいなんだ。
 そして、すっかり信じ込んでしまったのである。

「蒼紫様」
 夕餉を終えた頃、般若は蒼紫の元を訪れる。
 操の様子は依然とおかしいままだ。夕餉も共にすることはなく、避けられた状態で蒼紫の機嫌は悪化している。だがそれも、真相を知れば変わってくるだろうと調べ上げた内容を報告する。
 蒼紫は机に向かったままであったが、般若は構わず話はじめる。
 操がなにゆえ蒼紫を拒否するのか。
 その原因となっているもの。
 最初はさほど関心ないように聞いていた蒼紫であったが、全貌が明らかになってくると愕然となる。不可抗力と言えど、操の拒絶のそもそもの原因の一端が自らにあると聞かされては胸中複雑。ただ、操が蒼紫を嫌っての拒否ではなく、蒼紫が操を嫌っていると思いこみ、それ故に傷ついて傍によって来ないのだと知り、感じていた憤りは多少は治まるが。
「操様の身にそのようなことが起きているなど思わず……手落ちでございました」
 いやしかし、操は御頭の愛孫である。その操に何がしかをする輩がこの屋敷にいるなど誰が想像できようか。責められるようなことではないだろう。それは蒼紫も理解している故に、話しを聞き終えても「そうか」と短く返すのみであった。
「今宵は嵐になるようです」
 ふいに般若が言う。無駄口を好まぬ蒼紫に、般若もまた余計なことは申さぬのだが。言うように確かに天候は朝から崩れていて雨脚は強まっている。この分ではますます激しさを増すだろう。そのくらい蒼紫ならば理解しているはずであるが。
「私はこれから出掛けますが。明日の朝には戻ります」
 言い置いて部屋を後にした。 

 ゴロリと雷が鳴る。
 ゴロリ、ゴロリと鳴りやまない。
「ふぇぇ」
 夜分遅く。普段ならすでに眠っている時間だが操はまだ起きていて、というより眠れずに布団にくるまっていた。雷が恐ろしくてたまらないのである。それをあざ笑うようにゴロリとまた。ついに操は我慢の限界を迎え布団を抜けだす。
 このような場合、操が向かうのはただ一つ。蒼紫の元である。任務で不在のことも多いが、それでも部屋に行く。そして蒼紫の使っている布団を引っ張り出して潜り込む。それだけでも守ってもらえているような気がして安堵する。ましてや今は蒼紫は屋敷にいるわけで、本人に抱いて眠ってもらえば百万力である。だが――今はもう行けない。自分は蒼紫に嫌われているのだから、傍にはいけないと。さすれば操が助けを求めるのは、
「はんにゃくん、はいってもいい?」
 部屋の前でひと声かけるが返事はない。
 もしかして眠っているのか。と操は考える。否、腕の覚えのある般若のこと、か細い声であれ操の呼びかけに気付かぬはずはないのだが、それでも幼い操はそこまでわからず、眠っているのではないかとそろりそろりと部屋の中に入っていく。薄暗い室内だが、隠密の血を引くせいか、操は夜目に強い。目を凝らせば中央に布団が敷かれ膨らみがある。やはり眠っているのだと傍に寄り、
「はんにゃくん、いっしょにねてもいい?」
 もう一度、声を掛けた。
 すると、もぞりと起き上がる人物。だがそれは思っていた人とは違う。暗くて錯覚したのか。或いは般若が変装しているのかと思ったが。
「操か。」
 その声は間違いなく、
「どうして、あおしさまがはんにゃくんのおへやにいるの?」
 それとも自分が間違えたのだろうか。般若の部屋に来たつもりが、無意識に蒼紫の元へきてしまったのか。操は困惑した。どうしていいかわからず呆然と立ち尽くす。そこへ――ゴロゴロゴロゴロっとけたたましい音と稲光。随分近くに落ちたようである。
「ふぇぇぇ。こわいよぉ」
 そうでなくてもわけがわからぬ状態であった操はそれを合図に現実逃避でもするようにうずくまり両耳を塞いで泣きだした。それでも蒼紫には抱きつかずにいたのは、余程、娘に言われた言葉が効いているのだろう。目の前に縋りつきたい存在がいて、おまけに大嫌いな恐ろしい雷が鳴っても助けを求められぬほど傷ついているのだ。
 蒼紫は胸のつまる思いがした。
 操に拒絶された時、何故、理由を確かめなかったのか。傍に寄って来ぬのならそれでいい。嫌だと言う者を追いかける趣味も義理もないと動くことをせずにいたが。一言、操に声を掛けてやればよかった。さすれば操は自分に嫌われていないと理解したのではないか。誤解であると。そうしていればこの小さな身を悲しみからすぐに救ってやれたのではないか。それが。知らぬと。大人げなく操の拒絶に腹を立て放置した。
 悔いる気持ちのままに、蒼紫はうずくまる小さな身を膝に抱き上げた。
「泣くな。何も怖いことはない」
 操の震える背を優しい手つきで撫でる。いつもであれば、その身を委ね緊張を緩めるところだが、しかし操はぎゅっと体を固くしたまま蒼紫の胸元を押して離れようとする。それをねじ伏せるように蒼紫は操を懐に抱きこんだが。
「はなして」
 抵抗しても勝てぬと思ったか、今度は言葉にする。
「操。」
 それを制するように蒼紫はいつになく柔らかな声で名を呼ぶが優しさが操は辛くなる。
「あ、あ、あおしさまは、ホントは、みさおがきらいなんでしょ」
 それなのにどうして優しくするの、とでも言いたげな。蒼紫は何と言えばいいか思案するが。しかしその間が操にとっては肯定と受けた様子で、
「だから、みさおは、おへやにもどるの。もう、あおしさまといっしょにいないの。はなして」
 精一杯の虚勢である。
「操。」
 蒼紫はまた名を呼んだ。そしてもっと強い力で抱きしめ直す。
 体温の低い蒼紫ではあったが、温もりが操の体を満たす。その腕の中はやはり安堵できる場所で少しばかり気を緩めそうになったが、
――ダメだ。
 自分に言い聞かせるように操はかぶりをふる。
 本当は嫌がっている。本当は迷惑がっている。だけどそれが言えないだけ。蒼紫は優しいから告げられずにいるのだと教えられた。だからここにいてはいけないのだと。けれど、ここにいたいと思う気持ちが溢れ出る。どうすればいいかわからなくなる。操は混乱し泣く。蒼紫の胸に顔をうずめたまま止めることのない涙を流し続ける。
「操。」
 繰り返し呼ばれる。愛おしげな声はやはりどうしても自分を嫌っているようには思えず。だが、確かに自分のことを嫌っているのだと告げられた。幼い操にはそれが悋気による出まかせだとは理解できない。そのような嘘を言うはずがないと疑うことさえ知らない。それ故に、蒼紫の態度にますます操の心の乱れは極まる。嫌っているなら嫌っているでそのような振る舞いをしてくれたらいいのに、どうして自分を困らせるのだと悲しくてやるせなくて、それでも。
「あおしさま、すき」
 ついと口を出た呟きは、素直な気持ちであった。蒼紫の胸中はわからずとも、たとえ自分を嫌っていようとも、操が蒼紫を好きなことは真実である。それは疑いようのないほど。混乱し困惑し、最後に出た言葉。
「みさおは、あおしさま、すきなの」
 幾度も告げてきた台詞であるが、かつてないほどの切実さである。自分を嫌っている相手に、そのようなこと言ってどうなるのか。余計に迷惑がられるかもしれぬが、他には何も考えられず繰り返した。それ以外に、もう言えることはないとばかりに。
 この状況で、そのようなことを言われるとは流石に蒼紫も予想外であったのか、いくばくか驚いた様子であった。ただ、操の言葉を受けて、表情にこそ出てはいなかったが、蒼紫の内にも幾分と残っていたわだかまりが溶けだす。
「そうか。操は俺が好きか」
 念を押すように尋ね返せば「うん」と可愛らしい声が返ってくる。
「ならばここにおればよい」
 自分の傍に、と。
「……で、でも、あおしさまはみさおがきらいなんでしょ。めいわくなんでしょ」
「俺はお前を嫌いではないし、迷惑と思ったことはない」
「う、う、うそだ。みさおのこときらいだっていったもん」
「俺が直に嫌と言ったか? 誰に何を聞かされたか知らぬが、俺の口から述べたことではないことを信じるのか」
「でも、でも、」
「俺は嘘は言わない。お前を嫌ってなどいない」
 強い言葉で言われ、操は黙る。
 では何故あの女中が操に嘘を言ったのか。心に一瞬浮かんだ疑問である。しかし、操が理解するにはまだ早く。またそのようなことはもうどうでもよかった。蒼紫が自分を嫌っていないと言っているならそれで。傍にいてもいいとわかればそれだけで。何もかもがご破算となる。
 操はようやく蒼紫に抱きついた。
「……じゃあ、いっしょにねてもいい?」
「ああ」
「ぎゅってしてくれる?」
 お前が望むことならばいかようなことでも――返事をするまでもなく、蒼紫は操の望んだとおりその身を抱き込み床につく。
 隙間なく寄り添えば、互いの鼓動が聞こえる。
 穏やかなそれを聞いているうちに操は眠りに落ちていく。やがてすこやかな寝息が聞こえはじめると、蒼紫もまた安堵し後を追う。まだ鳴りやまぬ稲妻は依然として五月蠅いままだが、心地よい腕に包まれた操は恐怖で起きることはない。目覚める頃にはかろやかな晴れの空が待っているだろう。その前に少しばかり早く訪れた平穏の中で二人は睦まじく眠った。

 同屋敷のとある一室。
「そんな顔して雷が怖くて眠れないなんて言うなよ」
 夜になり一晩過ごさせてほしいと尋ねてきた般若を訝しみながら式尉が告げた。
「顔は関係ないだろう」   
「なんだよ。本気か?」
「そうではないが」
「なら、自分の部屋へ帰れ。俺は男と同禽する気はない」
「俺もお前と同禽する気はないが、今、部屋は使えんのだ」
「はぁ?」 
 どういうことだ、説明しろとせっつかれるが、
「明日になれば全て納まる。もう今後はこのようなことはない。今宵一晩だけだ。使わせてもらうぞ」
 言うと、返事も待たずに部屋の隅に横になる。理由がさっぱり理解できない式尉であるが、尋ねてもこれ以上は話さないだろうと察して己も床についた。